こうした問題を解決したのが、当事者が公開鍵と秘密鍵の二つの鍵を所有する公開鍵暗号方式である。この方式では、送り手側では受け手側で公開している鍵で暗号化したデータを受け手に送り、受け手が自分が保有する秘密鍵で解読する仕組みである。つまり、送り手が送った公開鍵による暗号文は、受けての秘密鍵でしか解読できないため、共通鍵の場合のようにあらかじめ鍵の交換を行うといった手間が省ける。この方式の代表的な例がリベスト、シャミア、エーデルマンの3名によって開発されたところから、この3名の頭文字をとったRSA方式である。